ハライヤ!
はじめましての距離
水原知世side 自宅
◇◆◇◆
地獄のマラソン大会が終わった後。私、水原知世は自宅アパートで布団に横になりながら、今日のことを悟里さんに電話で報告していた。
『はははっ、除霊は成功したのにマラソンはやり直しだなんて、災難だったねえ』
「笑い事じゃありませんよ。おかげで全身筋肉痛なんですから。うう、明日は仕事が入ってないのが救いです」
こんな状態では、とても仕事になんてなりませんからね。
『だけど自転車で追いかけた時は、怒られるの覚悟だったんだろう。リスクを承知で動けるなんて、あたしは立派だと思うよ』
「まあ、それが仕事ですから。あの状況では、私が何とかするしかなかったわけですし。出来ることをやっただけです」
『出来ることをやる、か。知世ちゃんのそういう所、昔から変わらないね』
スマホから聞こえる弾んだ声。
そういえば最初会った時も、そんなことを言った気がします。
悟里さんと出会ってから、もう四年も経つのですね……。
地獄のマラソン大会が終わった後。私、水原知世は自宅アパートで布団に横になりながら、今日のことを悟里さんに電話で報告していた。
『はははっ、除霊は成功したのにマラソンはやり直しだなんて、災難だったねえ』
「笑い事じゃありませんよ。おかげで全身筋肉痛なんですから。うう、明日は仕事が入ってないのが救いです」
こんな状態では、とても仕事になんてなりませんからね。
『だけど自転車で追いかけた時は、怒られるの覚悟だったんだろう。リスクを承知で動けるなんて、あたしは立派だと思うよ』
「まあ、それが仕事ですから。あの状況では、私が何とかするしかなかったわけですし。出来ることをやっただけです」
『出来ることをやる、か。知世ちゃんのそういう所、昔から変わらないね』
スマホから聞こえる弾んだ声。
そういえば最初会った時も、そんなことを言った気がします。
悟里さんと出会ってから、もう四年も経つのですね……。