ハライヤ!
通学路の赤いシミ
椎名美樹side 学校
◇◆◇◆
上履きから靴に履き替えて、あたし、椎名美樹は校舎を出て中庭へと向かう。
うちの中学には給食がなく、お弁当を持ってきてそれぞれ思い思いの場所で食べている。
で、あの子はよく中庭で、お昼を食べているんだよね。
すると案の定、ベンチ腰を下ろす小柄なツインテールの女の子がいた。
「やっほー知世。お昼、一緒に食べていい?」
「椎名さん……どうぞ」
端によってできたスペースに、あたしは腰を下ろす。
この子の名前は水原知世。少し前、校内マラソン大会で知り合った、同級生の女の子だ。
あの時は大変だった。何せ知らぬ間に幽霊……いや、生霊に狙われてたんだもの。
だけどそこを助けてくれたのが彼女。
知世は悪霊や迷える霊を静めてくれる祓い屋だそうだけど、あれ以来時々話をしたり、一緒にお昼を食べたりするようになったんだよね。
「今日の知世のお弁当は……って、またおにぎりか」
「すみません、代わり映えしなくて」
「別にいいけど、でもこれだけだとお腹すかない? あたしの唐揚げあげようか。あ、でも祓い屋って、肉食べちゃダメだったりする?」
例えばお坊さんなんかは、元は生き物をである肉や魚を食べちゃいけないって聞いたことがあるから、もしかしたら祓い屋もそうなのかも。
だけど予想に反して、知世は首を横に振った。
「そんなことありません。そもそもお米の原料になる稲や野菜も、動物と同じで生きているのですから。命を頂いていることに変わりありませんよ」
なるほど確かに。
よくよく聞くと、お昼が少ないのは作る時間がなかいからだという。
何でも昨夜も仕事があって、そのせいで今朝は家を出るギリギリまで寝ていたのだとか。
苦労してるんだねえ。
唐揚げ、遠慮無しにお食べ。
上履きから靴に履き替えて、あたし、椎名美樹は校舎を出て中庭へと向かう。
うちの中学には給食がなく、お弁当を持ってきてそれぞれ思い思いの場所で食べている。
で、あの子はよく中庭で、お昼を食べているんだよね。
すると案の定、ベンチ腰を下ろす小柄なツインテールの女の子がいた。
「やっほー知世。お昼、一緒に食べていい?」
「椎名さん……どうぞ」
端によってできたスペースに、あたしは腰を下ろす。
この子の名前は水原知世。少し前、校内マラソン大会で知り合った、同級生の女の子だ。
あの時は大変だった。何せ知らぬ間に幽霊……いや、生霊に狙われてたんだもの。
だけどそこを助けてくれたのが彼女。
知世は悪霊や迷える霊を静めてくれる祓い屋だそうだけど、あれ以来時々話をしたり、一緒にお昼を食べたりするようになったんだよね。
「今日の知世のお弁当は……って、またおにぎりか」
「すみません、代わり映えしなくて」
「別にいいけど、でもこれだけだとお腹すかない? あたしの唐揚げあげようか。あ、でも祓い屋って、肉食べちゃダメだったりする?」
例えばお坊さんなんかは、元は生き物をである肉や魚を食べちゃいけないって聞いたことがあるから、もしかしたら祓い屋もそうなのかも。
だけど予想に反して、知世は首を横に振った。
「そんなことありません。そもそもお米の原料になる稲や野菜も、動物と同じで生きているのですから。命を頂いていることに変わりありませんよ」
なるほど確かに。
よくよく聞くと、お昼が少ないのは作る時間がなかいからだという。
何でも昨夜も仕事があって、そのせいで今朝は家を出るギリギリまで寝ていたのだとか。
苦労してるんだねえ。
唐揚げ、遠慮無しにお食べ。