ハライヤ!
宗太side 帰り道
西の空に夕日が沈む中。小学校の校門を出た僕の背中に、元気のいい女の子の声が届く。
「宗太くん……宗太くーん!」
「あれ、山本さん?」
校舎の方からかけてくるのは、ポニーテールがトレードマークの女の子、山本さん。
二学期になって僕のクラス、五年三組に転校してきた子だ。
山本さんは僕の前までやって来ると、ペンケースを差し出してくる。
「はいこれ。教室に置きっぱなしだったよ」
「いけない、忘れてた」
受け取ったペンケースを、ランドセルへとしまう。
僕も山本さんも、学級新聞の制作係。放課後も学校に残って作業をしていたのだけど、うっかり忘れてきちゃった。
けど、わざわざ届けてくれたのか。
山本さんとは係りが同じになる最近まであまり話したことはなかったけど、優しいや。
「ねえ、宗太くんは家こっちなの? だったら、途中まで、いっしょに帰らない」
「うん!」
断る理由なんてない。一人で帰るより二人の方が、楽しいしね。
女の子と一緒に帰るなんてあまりないから、ちょっとドキドキ。
だけどこの後、まさかあんな恐ろしい体験をすることになるなんて。
この時は思ってもいなかった。
「宗太くん……宗太くーん!」
「あれ、山本さん?」
校舎の方からかけてくるのは、ポニーテールがトレードマークの女の子、山本さん。
二学期になって僕のクラス、五年三組に転校してきた子だ。
山本さんは僕の前までやって来ると、ペンケースを差し出してくる。
「はいこれ。教室に置きっぱなしだったよ」
「いけない、忘れてた」
受け取ったペンケースを、ランドセルへとしまう。
僕も山本さんも、学級新聞の制作係。放課後も学校に残って作業をしていたのだけど、うっかり忘れてきちゃった。
けど、わざわざ届けてくれたのか。
山本さんとは係りが同じになる最近まであまり話したことはなかったけど、優しいや。
「ねえ、宗太くんは家こっちなの? だったら、途中まで、いっしょに帰らない」
「うん!」
断る理由なんてない。一人で帰るより二人の方が、楽しいしね。
女の子と一緒に帰るなんてあまりないから、ちょっとドキドキ。
だけどこの後、まさかあんな恐ろしい体験をすることになるなんて。
この時は思ってもいなかった。