ハライヤ!
「葉月君はどう思います? やっぱりサトルくんと話す途中で、うっかり振り返ってしまったのでしょうか?」
「かもね。この事は上に報告して、もし本当にサトルくんの仕業ってなったら、祓い屋を派遣してもらおう」
「でもそれだと、時間がかかりすぎませんか? モタモタしてたら、取り返しのつかないことになりませんか」

人一人行方不明になっているのですから、あまり悠長なことは言ってられません。

「えっ。それって真由子ちゃんが、死んじゃうってこと⁉」
「そんな、何とかならないんですか?」

途端に真っ青になる、明美ちゃんと宗太くん。
いけません、怖がらせてしまいました。

「もう、脅かしてどうするのさ。けど、トモの言うことももっともだ。上に報告はするとして、ここは俺達が」
「そうですね。今一番早く動けるのは、私達なんですから」

それに宗太くんと明美ちゃんは、私を頼って来てくれたのです。
人任せにするべきでは、ありませんよね。

「けどさ、本当にサトルくんに連れて行かれたのなら、どうやって真由子ちゃんを探すのよ? サトルくんの家にでも行って、本人に聞いてみるの?」

椎名さんの疑問ももっとも。
けど、サトルくんがどこに住んでいるか何て知りませんし。
だけど話を聞いた葉月君が、突然叫びました。

「それだよ椎名さん! サトルくんに聞いてみたら良いんだ」
「えっ、あたし冗談で言ったんだけど。葉月君は、サトルくんの家知ってるの?」
「違うよ。俺達も呼び出しの儀式をして、サトルくんに聞いてみるんだよ。サトルくんはどんな質問にも答えてくれるそうだから、真由子ちゃんの居場所だって知ってるはずだよ」

なるほど、その手がありましたか。
もしも今回の件にサトルくんが関わっていなかったとしても、これならどのみち真由子ちゃんがどこにいるかわかります。

「ただこの作戦、一つ欠点があるんだ。もしもサトルくんを呼び出して、うっかり後ろを振り返っちゃったら、今度は俺達が危ないかも。けど、それでもやるよね?」
「もちろんです。後は私たちに任せて、椎名さん達は家で待っていてください」

危険が怖くて、祓い屋がつとまりますか。
宗太くんも明美ちゃんも、安心して待っていてください。
真由子ちゃんは必ず、私達が見つけ出しますから。
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