甘いものが嫌いな後輩くん
甘々な時間
入梅。
鬱陶しいほどに雨続きの毎日に流石の春くんも元気がない。最初の1.2日は部活が休みだー!と喜んでいたもののこう毎日降っては流石に息が詰まる様子でまるでカタツムリのように殻(自室)にこもって出てこない。
「春くん大丈夫ー?」
「うーん。ぜんぜんだめです」
勉強どころかゲームにすら身が入らないといった様子で即降り即死のデスゲームを幾度となく繰り返しては水族館で買ったイルカのぬいぐるみを抱いてふて寝する春くん。そんな姿でさえ可愛いと思えてしまうのはかわいい後輩パワーだろうか。
「まぁ無理しないでね」
そういう私もこういう気候が続くと低気圧の影響だろうか。頭が痛い。しかしそんなことを言ってはいられない。もうすぐ始まるテスト期間に備えて勉強に励む。やり始めれば案外集中出来て気がつけばお昼を過ぎていた。
「もうこんな時間か。お昼ご飯どうしようかな」
冷蔵庫を開けると卵や牛乳が目に入った。勉強して疲れた脳に必要なものはただ一つ。糖分だ。
「ホットケーキにしよ!」
きゅっとエプロンを付けて手際よく材料を混ぜ合わせ、加熱したホットプレートの上で焼いていく。
甘い香りにつられて春くんもようやく殻(自室)から出てきた。
「いい匂い」
「ホットケーキだよ」
「いいなぁ。僕にもちょうだい」
「勿論」
ぺたーっと背後から抱きついてくる春くんに私の心がどきりと跳ねる。
「でも僕は先輩を食べたいなぁ。なんて」
「っ! そ、そういうことは夜にね」
あ。また余計なことを口にしてしまったと後悔した時にはもう遅い。
「夜ならいいんだ」
吐息の混じった低い声が鼓膜を震わせる。そのままかぷり、耳たぶを甘噛みされれば変な声を堪えきれずに口から出してしまう。
「ひゃっあ」
「先輩、耳弱いんだ」
春くんはまるで新しい玩具を見つけた子どものようにさっきまでとは打って変わって悪戯に微笑んだ。
鬱陶しいほどに雨続きの毎日に流石の春くんも元気がない。最初の1.2日は部活が休みだー!と喜んでいたもののこう毎日降っては流石に息が詰まる様子でまるでカタツムリのように殻(自室)にこもって出てこない。
「春くん大丈夫ー?」
「うーん。ぜんぜんだめです」
勉強どころかゲームにすら身が入らないといった様子で即降り即死のデスゲームを幾度となく繰り返しては水族館で買ったイルカのぬいぐるみを抱いてふて寝する春くん。そんな姿でさえ可愛いと思えてしまうのはかわいい後輩パワーだろうか。
「まぁ無理しないでね」
そういう私もこういう気候が続くと低気圧の影響だろうか。頭が痛い。しかしそんなことを言ってはいられない。もうすぐ始まるテスト期間に備えて勉強に励む。やり始めれば案外集中出来て気がつけばお昼を過ぎていた。
「もうこんな時間か。お昼ご飯どうしようかな」
冷蔵庫を開けると卵や牛乳が目に入った。勉強して疲れた脳に必要なものはただ一つ。糖分だ。
「ホットケーキにしよ!」
きゅっとエプロンを付けて手際よく材料を混ぜ合わせ、加熱したホットプレートの上で焼いていく。
甘い香りにつられて春くんもようやく殻(自室)から出てきた。
「いい匂い」
「ホットケーキだよ」
「いいなぁ。僕にもちょうだい」
「勿論」
ぺたーっと背後から抱きついてくる春くんに私の心がどきりと跳ねる。
「でも僕は先輩を食べたいなぁ。なんて」
「っ! そ、そういうことは夜にね」
あ。また余計なことを口にしてしまったと後悔した時にはもう遅い。
「夜ならいいんだ」
吐息の混じった低い声が鼓膜を震わせる。そのままかぷり、耳たぶを甘噛みされれば変な声を堪えきれずに口から出してしまう。
「ひゃっあ」
「先輩、耳弱いんだ」
春くんはまるで新しい玩具を見つけた子どものようにさっきまでとは打って変わって悪戯に微笑んだ。