甘いお菓子のように
わたしは、通り過ぎた裏通りを見て声を上げた。

「どうした?」

「なんか、紅子さんっぽい人を見かけたような・・・」

「そんな訳ないだろ!この辺ラブホ街だぞ?」

「そっか・・・。誰かといた気がするんだけど・・・」

「気のせいだろ。あ、着いた!ここここ」

そう言って私たちは雑居ビルの中にあるこじんまりとした居酒屋に入っていった。

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