甘いお菓子のように

4

居酒屋を出て、手を繋ぎ、彼に身を委ねるように歩みを進んでいたらさっき通り過ぎたラブホ街まで歩みを進めていた。

「ねぇ、ここって・・・」

「ダメかな?」

「え?」

「俺、もっと中島といっしょにいたい」

そう彼に言われるまま、いっしょにホテルの中へと入ってしまった。

本当は、こんな展開になるなんて想像もしてなかったからわたしの心は戸惑った。

けど、今日一緒に彼と飲んで楽しいと思ったし。

そして、彼とだったらいいかなと思ったから。

彼がわたしに好意を持ってくれたことが嬉しくて、だからいっかなっと思ってしまった。

部屋に入って早々、高山くんがわたしを抱きしめた。

「中島、今日可愛すぎるから無理」

彼の余裕のない言葉にわたしの胸は不意に高鳴った。

そして、そのままベッドの上に彼がわたしを押し倒すと「我慢できない。してもいい?」と聞かれた。

わたしは「うん」とうなずくとそのまま彼に強く抱きしめられ、キスをされた。

ずっと欲しかったものを求めるような濃厚なキスだった。

いっぱいいっぱいキスをされ、

いっぱいいっぱい可愛いと言ってくれて、

いっぱいぎゅーっと抱きしめてくれて

わたしはすごくすごく幸せだった。

「おいで」

そう言われて、彼の胸の中に入るとぎゅっと抱きしめられた。

それが心地良くて、ずっとこのままでいたいと思った。

「中島、かわいい」

そう言って彼が頭をやさしくなでてくれた。

それが、嬉しくて。

久々に感じる愛が嬉しくて

高山くんとだったら付き合いたいと心から思えた。

なのに・・・。

まさか、次の日にあんな現実を突きつけられるとは夢にも思わなかった。

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