甘いお菓子のように
わたしがレジ回りの補充をしていると副店長に声をかけられた。

「紅子さん、だいぶ慣れてきたから一人でも大丈夫そうですよね?」

まさか、ここでも紅子さん呼ばわりされるとは・・・。

「あ、はい。大丈夫かと思います」

「そしたら、わたしは帰るから。このあと、大学生が一人入ってくるから」

「え、大学生ですか?」

「うん、梶浦くんって言うんだけど。なんか、分からないことがあったら彼に彼に聞いてね」

「はい、分かりました」

梶浦くん・・・。

いつも金曜日と日曜日の夕方にいる若い男性だとわたしは思った。

いや、そうだと気づいていた。

なぜなら、わたしがこの曜日にここで働きたいと思った理由は・・・。

「じゃぁ、がんばってね」

副店長が去ったあと、わたしは壁にかかった時計に目をやった。

時刻はまもなく17時になろうとしていた。
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