甘いお菓子のように

2

ダスターがけが終わった梶浦くんがレジの中に入っていた。

わたしを見て少し驚いたような表情をした彼に近づき、わたしは挨拶した。

「初めまして。これから、日曜日の午後からシフトに入ることになりました北川です。よろしくお願いします」

「あ、梶浦です。よろしくお願いします」

お互い淡々と挨拶が終わるとそれぞれレジに戻った。

口の中から心臓が飛び出るんじゃないかと思うくらいドキドキした。

彼とは何度もコンビニで会っているがまもとに会話をしたのがこれが初めてだった。何度かわたしがここに来てること、彼は覚えているのだろうか。

そう思っていても彼に聞く勇気はない。

彼の方からも特に聞いてこない。

もしかしたら、わたしのことなんて記憶にないかもしれない。

いろんなお客さんを目にしているのだからいちいち覚えていないだろう。
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