甘いお菓子のように
「なんで、電話に出ないんだよ」

わたしが無視をしてると「話がある」と言われた。

わたしは、親に怒られてヘソを曲げた子供のように頑なに押し黙った。

紅子さんもこの気まずい状況を察したのか「とりあえず、始業も終わってるし、二人でカフェテリアに行って話し合ってみてはどうですか?」と提案をしてきた。

本当は高山くんと関わりたくなかったけど、紅子さんが言うので仕方がないと思うと

「分かりました」と言ってしぶしぶ立ち上がった。

「紅子さん、ありがとうございます」と彼が言うと「じゃぁ、行こう」とわたしに声をかけた。

わたしは背の高い彼の後ろ姿を見ながら、彼に続くようにカフェテリアの中に入って行った。

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