甘いお菓子のように
わたしはカップの中のカフェラテを見ながら、奥歯を噛みしめた。

次第にカフェラテがぼやけて見え、喉の奥が熱くなるのを感じた。

こんなこと気づきたくなかったけど本当は高山くんのことを好きになっていたのだと自覚をした。

彼とデートした日、いや、その前から。

彼とは気が合うし、一緒にいて楽しかったから、彼と付き合えたらいいなとどこかで思ってたんだ。

好きだから。

好きだから「抱いてもいい?」って聞かれたときにわたしは彼を受け入れたんだ。

好きだから。

わたしだって誰でもいいわけじゃない。

高山くんだったから抱かれたのに。

わたしは一気にカフェラテを飲み干すと八つ当たりをするようにゴミ箱の中にカップを投げ捨てた。

少しため息をつくと、わたしはカフェテリアを出て事務所に戻った。

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