甘いお菓子のように

髪を切った後も俺は彼女に「髪切ったんですね？似合ってますよ」と言われるのを想像していた。

でも、現実は全然そんなことなくて、俺を見てもいつもと変わらないクールな彼女がそこにいただけだった。

俺にはどうしていいか分からなかった。

どうして、俺に関心がないんだろう。

どうして、俺から逃げるんだろう。

楠野は笑顔で「お疲れ様！」と言うと去っていった。

すると、まもなくして彼女がレジの中に戻ってきた。

彼女は本当に不思議な女性だった。だから、俺は彼女を追いかけたいという衝動になるのだろう。

彼女を知りたい、彼女と仲良くなりたい。

だけど・・・

やっぱ、こんなクソガキは相手にしないのかなとふと思った。