悪魔な国王陛下は、ワケあり姫をご所望です。




 第一、なぜ笑った事で怒られるのか理解不能だった。

 困惑するファウラに、ルイゼルトはますます怒りを含んだ空気を放っていく。




「なあ、ファウラ。お前は、俺のものって分かってるか?」




 ファウラはこくこくと頷いて、もちろん分かっている事を示す。

 しかし、ルイゼルトが怒っているもう一つの原因は検討もつかない。




「ファウラ」


「は、はい」


「アイツに何をされたか正直に言え」




 答えるまで逃がさないという剣幕に、硬直するファウラはよく分からないと素直に答える。

 その答えに、ぎりぎり我慢していたであろうルイゼルトの怒りが暴走する。



「反省する気がないようだから、分からせてやらないとな」



 ルイゼルトは挑発するように囁くと、ファウラの耳をそっと口へと含む。



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