悪魔な国王陛下は、ワケあり姫をご所望です。
暗闇の中にいくつも浮かぶ光が、ふわふわと漂う。光の中を覗いてみれば、映る光景はどれも幸せそうな思い出だった。
「これは……ルイの記憶の中……?」
どこまでも続く道を照らす光からは、楽しそうな笑い声が聞こえてくる。
彷徨うように前へと進んでいくと、輝きは徐々に失われていく。次々と暗い悲しみに次々と光は色を失って行った。
疫病に飢饉……国の抱える問題に直面したルイゼルトの記憶からは葛藤と迷い、そして深い悲しみが占拠していた。
打ち勝つ術を見つけた先に待っていたであろう光は、無残にも切り捨てられる。
『俺が皆を守るって……約束したのに……』
他国からの援助を受けられるよう手配したはずのルイゼルトの前に突きつけられたのは、同盟国の密告者が送り付けた暗殺者により殺された家族の亡骸だった。
『もう誰にも大切なものを奪われたりしない……絶対にだ!!』
怒りに身を染めたルイゼルトが手に取ったのは悪魔を禁断の書。結ばれた契約によって、ルイゼルトは絶対的な力を得た。
奪われたものを取り返すように、ルイゼルトは得た力を振るった。