悪魔な国王陛下は、ワケあり姫をご所望です。





 長い睫毛の下に秘める紅い瞳にを口づけを落とせば、温もりが灯る。

 凍ったルイゼルトのここをそっと溶かすように温もりは暗闇すらも包み込んだ。



「ルイは言ってくれたわ。私を愛しているって、それを信じて欲しいって……」



 ルイゼルトを抱きしめて大好きな香りが胸いっぱいに広がった。

 心を満たしてくれる唯一の人の耳元でそっと囁く。



「私はルイを愛してる。これらか先の未来も一緒に歩んでくれるって信じてる」



 ファウラは後ろからじりじりと迫ってくる影の存在に気が付きながらも、動じることなくルイゼルトをしっかりと抱きしめた。

 ファウラにしか出来ない事をしっかりと成し遂げるために、大きく息を吸い込む。





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