悪魔な国王陛下は、ワケあり姫をご所望です。
「もう二度と離さない。何があっても俺はファウラを守り抜く。だから俺の傍にいてくれ」
「うん」
「そうと決まれば、結婚式も明日のうちに挙げるか」
「えっ?!」
急な話の展開に驚きのあまり声を裏返したファウラは、ルイゼルトの顔を見た。
何処までも真剣な表情で考えていることから、どうやら冗談抜きで言っているらしい。
こんな事の後で、まだ混乱が治まっていない中でやれるわけがないと、ルイゼルトを止める。
「一度しっかり休もう?色々立て続けで疲れているでしょう?」
「色々あったからこそ、早急に結婚するんだろ。正式に妻として迎えれば、婚約者という立場より守りやすくなる。それに――」
「んっ……」
不意な口づけに顔を赤らめるファウラに、満足そうに笑う。
「こんなに愛しいファウラを独り占めして、堪能したいからな」
「た、堪能って……どういう……?」
困惑を隠せなずに狼狽えいると容赦なく唇が奪われた。