悪魔な国王陛下は、ワケあり姫をご所望です。
ルイゼルトの真っ直ぐこちらを見つめてくる紅い瞳に、ようやく自分が映ったと胸を撫で下ろす。
紅い瞳を見て緊張は解れ、伝えたい想いが喉を這い上がってくる。
「いきなり来てごめんなさい。その……気持ちを伝えたくて」
ファウラの言葉に、ルイゼルトは気恥ずかしさのあまり目を逸らす。それでもファウラは狼狽えることなく言葉を続けた。今度は自分の想いが彼に届くように。
「花もお菓子もそうだけど、日頃から私の事を気遣ってくれているのが嬉しくて……ちゃんと伝えたかったのに、恥ずかしくて上手く言えなかったの。それなのに昨日はあんな態度を取って、ごめんなさい。今の生活に不満がないのは、紛れもなく陛下のお陰よ。その……ありがとう」
俯くことなく、今度はしっかりとルイゼルトを見て言えたと、後ろでバレないように拳をきつく握り締める。
そんな言葉要らないと突き放されても、笑われてもいい。しっかりと思いが伝わればそれでいいと、ファウラはルイゼルトを見つめ続けた。
ファウラの言葉に暫し沈黙していたルイゼルトは、小さな溜め息を零してゆっくりと視線を上げた。
「俺こそ……女の扱いに不慣れで傷つけてしまった。すまない」
まさかルイゼルトからも謝られるとは思っておらず、きょとんとした表情で彼を見つめた。