それは手から始まる恋でした
でもよかった。私も同じ気持ちだ。港を抱きしめたいと思うときもあった。ぎゅっとして寝て欲しいと思うときもあった。でも港への好きの感情は理性を失うことはない。
「ありがとう。私もずっと港の親友でいたい」
私が理性を失うくらい好きなのは高良以外いない。好きで好きでたまらない。失っていいから本能が勝つのではない。失いたくないけど本能が勝ってしまう。損得勘定なんかで動くことができない。高良は幸せでいてくれているのだろうか。
引っ越しの日はあっという間に来た。高良とは相変わらず冷戦状態だ。穂乃果さんはたまに会社に来るし、その度に高良は穂乃果さんとどこかに消える。会社では会議室であんなことやこんなことを楽しんでいると噂になっている。そして穂乃果さんの指からはリングが消えていた。
「本当古いアパート。何かあったらすぐに呼ぶんだよ」
「心配かけてごめんね」
「まぁ、僕の家から徒歩15分ってとこは褒めてあげる。でもやっぱり僕の家と変わる?」
「それは悪いよ。ここ敷金も礼金もないから一時しのぎって感じだし。でも仁に家財全て捨てられちゃったのは痛いな」
「僕の家の使っていいよ。また引っ越すなら家財は少ない方がいいでしょ」
「うん。助かる。それに冷蔵庫もありがとう」
「ちょうど後輩が捨てようとしてたからね。廃棄代かからなくて助かったって言ってたよ」
私の新居は最低限のものが運ばれた。心機一転するにはふさわしすぎる殺風景さだ。
新居に引っ越して一週間、早くも問題が発生した。5月頃になればいい物件も出てくると言っていたのでもう少しの辛抱だ。今も不動産屋から情報を貰っている。
「体調悪いんなら休んでいいぞ」
会議終わり、誰もいなくなったのを見計らって高良が初めて仕事以外のことで話しかけてきた。
「いえ。大丈夫です」
「顔色が悪い」
「最近眠れなくて」
「はは。新しい彼氏の自慢か。あの女みたいな」
「港は彼氏じゃありません」
「そうだったな。お前は彼氏じゃない奴とも寝るんだったな」
「はぁ? 私が誰と寝ようが高良さんには関係ないですよね」
「ありがとう。私もずっと港の親友でいたい」
私が理性を失うくらい好きなのは高良以外いない。好きで好きでたまらない。失っていいから本能が勝つのではない。失いたくないけど本能が勝ってしまう。損得勘定なんかで動くことができない。高良は幸せでいてくれているのだろうか。
引っ越しの日はあっという間に来た。高良とは相変わらず冷戦状態だ。穂乃果さんはたまに会社に来るし、その度に高良は穂乃果さんとどこかに消える。会社では会議室であんなことやこんなことを楽しんでいると噂になっている。そして穂乃果さんの指からはリングが消えていた。
「本当古いアパート。何かあったらすぐに呼ぶんだよ」
「心配かけてごめんね」
「まぁ、僕の家から徒歩15分ってとこは褒めてあげる。でもやっぱり僕の家と変わる?」
「それは悪いよ。ここ敷金も礼金もないから一時しのぎって感じだし。でも仁に家財全て捨てられちゃったのは痛いな」
「僕の家の使っていいよ。また引っ越すなら家財は少ない方がいいでしょ」
「うん。助かる。それに冷蔵庫もありがとう」
「ちょうど後輩が捨てようとしてたからね。廃棄代かからなくて助かったって言ってたよ」
私の新居は最低限のものが運ばれた。心機一転するにはふさわしすぎる殺風景さだ。
新居に引っ越して一週間、早くも問題が発生した。5月頃になればいい物件も出てくると言っていたのでもう少しの辛抱だ。今も不動産屋から情報を貰っている。
「体調悪いんなら休んでいいぞ」
会議終わり、誰もいなくなったのを見計らって高良が初めて仕事以外のことで話しかけてきた。
「いえ。大丈夫です」
「顔色が悪い」
「最近眠れなくて」
「はは。新しい彼氏の自慢か。あの女みたいな」
「港は彼氏じゃありません」
「そうだったな。お前は彼氏じゃない奴とも寝るんだったな」
「はぁ? 私が誰と寝ようが高良さんには関係ないですよね」