鎖から放たれた蝶々は美しく羽ばたく
ない、ないと立てた手を顔の前で振ったものの、袴田課長は数度、首を振って答えてきた。

「必ず君を僕のものにするからね、苺チョコちゃん?」

私の手を両手で握り、にっこりと笑う神月さんを呆然と見ていた。
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