鎖から放たれた蝶々は美しく羽ばたく
いきなり、まだなんの準備もできていない身体を攻められ、短く悲鳴が漏れた。

「俺がどれだけ、傷ついたかわかるか?」

私にかまうことなく、彼は乱暴に私を荒らしていく。
それは次第にぐちゃぐちゃと濡れた音を立てだした。

「あっ、あっ」

「チョーコは俺のものだ。
この身体も、……心も」

「ああーっ!」

的確に彼だけが知る、私のいい場所を攻めあげられ、目の前が明滅した。

「こんな傷のあるチョーコを、抱いてくれるのは俺だけだってわかってるだろ?」

彼の濡れた手が私の前髪を掻き上げ、火傷の痕を露わにさせる。

「顔にこんな醜い傷のある女、誰も愛してくれない」

そう言いながらもそこへ落とされた口付けは、とても愛おしそうだった。

「チョーコをわかってやれるのは、俺だけだ」

「あっ、はぁっ」

服を脱ぎ捨てた彼が、ゆっくりと入ってくる。
彼の身体にだけ躾けられた私の身体は、私の意思とは関係なく歓喜の涙を流しだす。

少しだけ苦しげに顔を歪め、私の身体を揺らす彼をなんの感情もなく見上げていた。
最初は嬉しかったのだ、たとえ恋人同士になれないのだとしても。
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