毒占欲
わたし
小さめの袋に入った黒いゴムをふたつ取り出して、髪を結ぶ。
耳より上、いつもの私。
腰まで伸びた真っ黒な髪は、もう何年切っていないだろうか。
持ち手が少し汚れたハサミで、前髪を整えた。
カバンには、お気に入りのピンクのうさぎ。
行きたくないのに、自分の足は学校へ向かっていく。それがなんだか可笑しかった。
あと少しで学校に着く、というところで、私の前を横切ったのは黒い猫。一瞬私の方を向いたが、目が合った途端走り出してすぐに見えなくなった。
耳より上、いつもの私。
腰まで伸びた真っ黒な髪は、もう何年切っていないだろうか。
持ち手が少し汚れたハサミで、前髪を整えた。
カバンには、お気に入りのピンクのうさぎ。
行きたくないのに、自分の足は学校へ向かっていく。それがなんだか可笑しかった。
あと少しで学校に着く、というところで、私の前を横切ったのは黒い猫。一瞬私の方を向いたが、目が合った途端走り出してすぐに見えなくなった。
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