禁断の味はチョコレートのように


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「異業種交流会?」

同じ会社の先輩である佐藤利奈とランチをしていた園田杏は、きょとんと元々丸い目を丸くする。
今日は珍しく外でランチをしようと利奈から昨日誘われていたが、食事途中に利奈から言われたことに杏は聞き返した。

「そう。今週末金曜の夜行われるの。
招待制でね、私もやっと先日誘ってもらえたんだ。
ただ同性を一人連れてくるのが条件になってて。
お願い杏、一緒に行ってくれない!?」

手を合わせて頼んできた利奈に杏は違和感を覚えた。

利奈は会社の先輩で30歳。
杏は28歳だが入社時の教育担当が利奈でそれからの付き合いだ。
利奈は既婚でさばさばした性格、まだキャリアを積みたいと子供をもうけるのは先にしていると杏は聞いていた。

だから上昇志向のある利奈が異業種交流会に参加したいことに疑問は無い。
疑問があるのは招待制でそれも同性を一人連れてくるなどと言うのがあることだ。
もしもこれが何か悪い誘いに騙されているのなら止めなければならないと杏は心配になっていた。

「利奈さん、私にはその異業種交流会がどうも胡散臭く感じるんだけど」
「どこが?」
「招待制で同性一人連れてくるのが条件なんておかしすぎるでしょう?」

杏が心配そうに言うので利奈は明るく笑い声を出した。

「そうね、そう思う杏だから声をかけたの」

杏は訳がわからず困ったような顔をする。

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