禁断の味はチョコレートのように
「この異業種交流会はただの交流会では無いの。
男性達は一流企業に務めている、自分で起業しているとかある程度の年収、会の定める基準をクリアしていないと参加できない。
異業種交流会だからね、お互いにメリットのある人間である事が必要だから。
そしてその男性が女性を個人的に招待をするの。
男性はそれなりの女性を連れてこなければ、同性のレベルの高い男達にそういう女性しか呼べないのかと自分の価値を下げる。
そしてその女性はそれなりの女性を連れてこなければ、人脈も作れないレベルの女だと見られる。
全ては会をレベルの高い人脈作りの場として維持するために必要な事なのよ」
利奈は最初は冷静に話していたが、段々と熱が籠もってくる。
この会に所属する男に誘われることは女にとって一種のステータスだ。
そこに行くにはそれなりの同性を連れていかねばならない。
そこで利奈は杏に狙いを定めた。
杏が入ってきた時清楚な女の子だと利奈は感じた。
男の後ろを三歩下がるようなそういう女性に。
だが実際は芯が強く賢いところも知っている。
会社では目立つ女子がそれなりにいるが、結婚するなら園田さんが良いというのを男達が言っているのも当然だろう。
『杏はあの人達に絶対に気に入られる』
利奈はそんな確証を持っていた。