嘘つきは恋のはじまり✗ 恋の終わり???
古本屋さんに本を出した
部屋を整理して
写真を消して
ゴミを出して
ゴミなんかじゃない
あそこにあった全部が
深瀬とカノジョの思い出なんだ
深瀬とカノジョの思い出がまた減った
「草薙、お腹空いてない?」
「うん、まだ大丈夫だよ」
「ちょっと読みたい本がある」
「うん、いいよ
私も適当に本みてるから…」
女の子が上の棚にある本に
背伸びして手を伸ばした
「コレ…?」
深瀬が取ってあげた
「ありがと、お兄ちゃん」
小学生かな?
かわいいね
「ごめん」
深瀬が私に謝った
「ん?なにが?」
「こーゆーのもダメなんでしょ
つい、取ってあげたくなった」
「あー…
んーん、ダメじゃないよ
誰にでも優しい深瀬が好きだから
…
あの子、深瀬に恋したと思うよ
少女漫画によくあるシチュエーションだもん」
「とりあえず
お兄ちゃんでよかった…って安心した
オレ、まだおじさんじゃないかな?」
「ハハハ…
そしたら私もおばさんだし」
私には一瞬
高校生の深瀬に見えたよ
この先
おじさんになった深瀬とも
一緒にいれるかな?