嘘つきは恋のはじまり✗ 恋の終わり???

「こんな公園あったんだ」



「オレも初めて来た」



「ここも調べてくれたの?」



「うん
草薙と行ってみたいな…って」



今まで知らなかった場所

今まで知らなかった深瀬



私たちの続き

これから続く未来



「深瀬と一緒に
いろんなところ行きたいな」



とか言ってみる



「うん、一緒に行こうよ

高校生の時はさ
チャリで行ける範囲が行動範囲だったからね」



「ハハ…そうだね
でも、楽しかったよ」



「オレも楽しかった

それにしても暑いね
草薙、暑くない?」



「暑いよ…夏だから…」



「うん、夏だね」



熱いよ…

深瀬が隣にいるから…



頬が赤いのも

日焼けじゃなくて



身体が火照るのも

暑さのせいじゃない



隣に好きな人がいるからだよ



「ハハハ…
噴水の水が掛かって
子供たち楽しそうだね」



休日の公園
家族連れが多かった


私もいつか家族ができたら
こんなふうに…


それは深瀬なのかな?



「草薙も楽しい?」



「うん、楽しいよ」



隣に好きな人がいるから

楽しいよ



「あのさ…」



「なに?」



「やっぱ、なんでもない」



「それナシ!って深瀬が言ったんだよ」



「うん…

さっき、涼って呼んでくれて
嬉しかった」



「え!聞こえてたの?
深瀬、無視したの?」



「無視っていうか…
あまりにも嬉しくて、かなり照れた」



それは私だよ

今もドキドキしてる



「ごめんね
先に無視したの、私だね

昨日、芭…って呼んでくれたのに…

昨日、手繋いでくれたのに…」



今度は私から

深瀬の手を繋いだ



「嬉しかったよ…涼…」



掌が熱くなって

胸が高鳴る



「芭…好きだよ」



昼すぎの真夏の公園



たぶんこの中で1番暑いのは

きっと私たちだ



この夏1番熱いのも

きっと私たちだ



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