嘘つきは恋のはじまり✗ 恋の終わり???

終電に間に合うように
涼が駅まで送ってくれた



「芭、明日も会える?」



「うん
特に予定ないよ
一緒にどこか行く?」



「別にどこも行かなくても
ゴロゴロしててもいんだけどね」



「ハハハ…
せっかくだから出掛けたいな
あ、でも
涼、忙しくないの?
アパートの引き払いとかどーなったの?」



「もぉ済んだよ
書類届いたって…
お父さんの様態も安定したって連絡きた」



「へー…よかったね」



まだ連絡取ってるんだ

取るよね



「春に結婚が決まったんだって
5歳上の幼馴染みみたいな人だって」



「そっか…」



なんて言ったらいい?



よかったね

よかったの?涼は



「幸せになるといいな…」



涼がすごく優しい顔をした



「うん、幸せになるといいね…」



「オレのこと心配してたからさ
心配されなくても
もぉカノジョできたって…」



カノジョ…


それって、私?



「私と涼って、付き合ってる?」



「え…
芭、マジで言ってる?」



「え…」



だって…
ちゃんと付き合おうって言われてないよね?


大人の恋愛は
告白とかないのか



それとも…

マジで言ってる?
付き合ってるわけないじゃん


え!?そっち!?



なんて
涼は絶対言わないよね?



「付き合ってなかったら
キスとかしないし…」



手が繋がれて

またキスされた



ーーー



ドキン…



「涼…人いるよ」



照れ隠しにそんなことを言った



「誰も見てないでしょ」



そう言って涼は


ーーー

ーーーーー


またキスした



終電間近のこんな時間でも
こっちは結構人がいる



「涼のキス…なんか変わった
前と違う」



元カノとは
こんなキスしてたんだ



「そりゃね…
オレも成長するよ
もぉ高校生じゃない

って、照れるからやめて

ずっと我慢してたし…
ずっと好きだったし…
もぉ限界

もぉ後悔したくないし…

来週は泊まる準備してきてよ
オレが芭のアパート行ってもいいし…
弟にも挨拶しといた方がいいでしょ」



「うん…

とりあえず明日はどこ行く?」



「え、芭、オレの話聞いてた?」



「ちゃんと聞いてたよ
涼がこっちにいるうちに
一緒にいろいろ行きたいな」



明日も来週も
約束が増えるたび
私たちは続くんだ…って嬉しくなる



涼がもし地元に帰っても
私たちは…



「芭、ずっと好きだよ」



ーーーーー



優しくて安心する言葉をくれる
この人を


今度はちゃんと信じよう



そしたら私たちは…



「涼…やっぱり今日、泊まりたい
ダメ?」



「ぜんぜんダメじゃない」



ずっと続くのかもしれない




< 163 / 205 >

この作品をシェア

pagetop