嘘つきは恋のはじまり✗ 恋の終わり???

涼は優しくて
損するくらい優しくて

そこが好きだった



誰にでも優しいから
きっとみんな勘違いする



私なんかにも優しくて
私のこと好きなのかな…って

勘違いかと思ったけど
涼はちゃんと告白してくれた



「草薙(くさなぎ)とクラス離れたらヤダな…」



「ん…?なんで?」



「なんか…嫌なんだ

草薙と話してると楽しいし
最近、話すだけじゃヤダな…って…」



「なに、それ?
私も深瀬(ふかせ)と話してると楽しいよ」



私がまだ涼を深瀬って呼んでた
1年生の時



「うそ、マジ?」



少し恥ずかしそうにした涼が
かっこよくて

好きだな…って思った



「ハハハ…うん
2年生も同じクラスになれるかな?」



私も照れ隠しに笑って
ずっと一緒に笑ってたいな…って思った



「や、8クラスもあったら確率低いっしょ」



「無理かなー?」



「無理、無理
オレ、運命とか信じないから…」



「運命?」



「2年になってまた同じクラスだったら
オレたち運命じゃね?って
付き合ったりするパターン」



「付き合ったり…?」



「や、だから…

だからさ
2年になる前にオレと付き合ってほしい」



「え…」



「オレ、草薙のこと好きなんだ

だから…
オレのカノジョになってくれませんか?」



あの時
涼が私に告白してくれた時

正直驚いた



私にカレシができるとか
涼も私を好きだとか
私が涼のカノジョになるとか

想像もしてなかった



両思いだってこと?



みんなに優しくて
いつも周りに人がいて

私だけ特別だったわけでもないけど
優しさの無駄使いしてる涼だけど

カノジョって
カレシって
特別だよね?

ひとりしかいないよね???

私は特別ってこと?



深瀬の特別になりたい
深瀬がそぉしてくれるなら



「深瀬の、カノジョになりたいです」



「うん

あー、ヤベー…
ちょー好き…」



私の前で照れる涼を見て
すごくドキドキしたのを今でも覚えてる



あの時

私は

涼の特別になった



涼の1番になった



はずだった



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