嘘つきは恋のはじまり✗ 恋の終わり???
「ねー、はーちゃん
もぉ言うけど…
オレがずっとはーちゃんのこと好きだったの
わかってた?」
「…え?
私も好きだよ、葵のこと」
「そーゆーんじゃなくて…」
「ん?」
「オレの初恋は、はーちゃんだった」
「え?」
「ずっと好きだった
ちなみに初キスもはーちゃんだった」
「へ?」
「なに?その反応」
ビックリして変な声出た
葵にカノジョができたことより
驚いてる
「はーちゃんが
お祭りのべっ甲飴全部食べちゃって
はーちゃんの口舐めたら甘かった
イチゴの味した
はーちゃんの唇柔らかくて好きだな…って」
「そ、それはキスとは言わないんじゃない?」
また声が上擦る
「その時はね
オレもまだ保育園だったし…
…
でもその後も何回もキスしたよ
はーちゃんは気付いてなかった?
…
はーちゃん
オレが弟だと思って油断してたでしょ
…
好きだったよ、はーちゃんのこと
はーちゃんがお姉ちゃんだからじゃないよ
…
はーちゃんにカレシができた時は
すごく嫌だったし
はーちゃん別れればいいって思って
浮気のこと告げ口したんだ」
葵
何言ってるの?
「え、ウソ…嘘でしょ?」
「ホントだよ
…
はーちゃんがこっちで独り暮らしして
オレ向こうでひとりになって
いつも寂しかったし
オレも大学生なったら
絶対はーちゃんと住むんだ!って
こっちに来たんだ」
「それで、どーするつもりだったの?」
「オレもはーちゃんと
付き合いたいな…って
本気で思ってたよ」
「そんなこと無理に決まってるじゃん」
「うん…そーだよね
…
なんで無理なんだろう
…
オレもはーちゃんのカレシだったあの人も
同じ男なのに…
…
はーちゃんのこと好きなのに…
…
親同士が再婚しなきゃ
はーちゃんと付き合えたのに
親同士が再婚してなかったら
はーちゃんに会えなかった
…
はーちゃんに会えて、よかった
…
はーちゃん
好きだったよ」
好きだったよ
葵の気持ちは
もぉ過去のもので
「うん
私も葵に会えてよかった
…
葵のこと
弟として、家族として、好きだよ」
「うん、オレも…」
これからは
弟として
これからも
家族として
ずっと一緒だよ