嘘つきは恋のはじまり✗ 恋の終わり???
「おつかれ!」
「おつかれさま」
ビールのジョッキを合わせた
「研修ってどれくらい?」
普通に話していんだよね?
「んー…とりあえず半年やな」
「へー…大変だね」
なんてことない話が進んでく
「研修より初めての独り暮らしが大変」
「そっか…
深瀬、自炊してるの?」
「や、だいたいコンビニ
草薙は?
まだ独り暮らしなん?」
呼び方、草薙に変わった
「この春から弟と住んでるよ
弟もこっちの大学に来たの」
「相変わらず弟と仲いんやね」
「そーかな?」
「よく弟の話してたじゃん」
「そーだっけ?」
「今日は、弟、大丈夫なの?
急に誘ってよかった?」
「うん
今日はカノジョとご飯行くんだって」
「へー…
草薙は?」
「ん?」
「カレシ、いるの?」
「いないよ
深瀬は?カノジョいるんでしょ?」
「なに?その決めつけ」
「いそうだから…」
「んー…まぁ…」
いそうだなって思った
相変わらずモテるね
「どんな人?」
「どんな?
そんなの別にいいやん」
「別に教えてくれてもいいじゃん!
深瀬、同じクラスの人に
よく私の話してたんでしょ?」
「んー…好きだったからね」
まだそんなこと言うんだ
「今のカノジョのことも好きでしょ?」
当たり前のことなのに
私、何聞いてるんだろう
「んー…まぁ…」
なに?その言い方
照れてる?
「同じ年?」
「1個上
大学の時の先輩」
「大学の時から付き合ってるの?」
「うん
大学入ってわりとすぐ
付き合おって言われたから付き合ってみた」
引っかかる言い方
大学入ってすぐカノジョできたんだ
その前もいたかもしれないけど
付き合ってみたってなに?
好きじゃなかったの?
「へー…長いんだね」
「長いね
いつの間にかこんな経ってた」
長く付き合ってるってことは
好きなんだね
「そっか…」
私より
長く深瀬と一緒にいて
私より
ずっと深瀬のことを知ってる
あの時の私より
きっと好きなんだろうな
このまま結婚するのかな?
「半年間、遠距離?」
「うん、そーやね」
「カノジョ寂しいだろうね」
「週末オレが帰るか、あっちが来るか…
明日も来るし…
あと、毎日電話することになってる」
へー…仲いんだね
明日来るんだ
どんな人なんだろう
「深瀬から電話するの?」
「できる方から
…
でも出れなかったら
出なくてもいいっていうルール
昨日も一昨日もオレから電話したけど
出なかったし…」
「深瀬、いじけてる?」
「別に…
お互い仕事してると忙しいやろ」
大人な付き合い方だね
高校生の時の私だったら
きっと不安になってた
私と今こーして
深瀬が会ってることも
深瀬のカノジョは許すのかな?
ただ久しぶりに会ってご飯食べてるだけだし
雨で仕方なかったし
別に悪いことしてないけど
コレも浮気のうちに入るって人もいるだろーな
私が深瀬と別れた理由
それだし