嘘つきは恋のはじまり✗ 恋の終わり???

「とりあえずさ
草薙、明日帰りなよ」



深瀬が私の手からカバンを取った



「カノジョには
もぉメッセージしちゃったし
来るとしても明日の昼過ぎだから…」



深瀬がまた私にブランケットを掛けた



なんか温かくて安心する

深瀬が優しくて
付き合ってた頃を思い出す



これでいいのかな?

ここにいていいのかな?





「元カノって言っても
オレ、フラれてるわけだし…
他に好きな人できたって言われたとか
カッコ悪くてカノジョに話せない」



確かに私がふったけど
アレは嘘で…


他に好きな人なんかいなくて
まだ深瀬が好きだったよ


そんなこと
今更言ったって
どーもならないから言わない



「深瀬、なんか余裕だね」



きっと深瀬のカノジョは
深瀬のこと信じてるんだろうね



元カノの一人や二人

深瀬が他の女の子とふたりで会っても
妬いたりしないんだ



「余裕ってわけじゃないけど…」



「へー…
もし別れようって言われたら
どーするの?」



あの時の深瀬みたいに
すぐ別れちゃうの?


きっと違う


深瀬もカノジョのこと愛してるから
別れない自信があるから

その余裕なんだ



「んー…そーだな…
別れると思う」



「え…」



思ってた答えと違って驚いた



「別れようって言われたら、別れるよ
オレが悪い
草薙は悪くないよ」



深瀬の答えは

見せつけられた気がした



「そんなこと言われるわけないから
そー言ってるんでしょ」



「どーかな…

とにかくさ、明日帰りなよ」



部屋の電気が消された



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