嘘つきは恋のはじまり✗ 恋の終わり???
「ねぇ、よかったら一緒に飲まない?」
二人組のサラリーマンに声を掛けられた
私の心よまれてるかな?
寂しそうだったかな?
でもこれは
恋愛とかカレシとか
そーゆーのじゃなくて…
ナンパってやつですね
「今日は飲まないので…」
「じゃあ、一緒に食事でも!」
「ひとりなんでしょ?」
軽!
チャラ!!
ウザ!!!!
私、本気なんで!
この人たちに
出会いとか運命とか1ミリも感じない
ここから真剣交際に発展する確率
ほぼ0%
いや、確実に0%
「待ち合わせしてるんです」
嘘をついた
カレシいます感漂わせてみた
こんな店で待ち合わせって…
しかもカウンター
「ウソでしょ」
「バレバレだよ」
すぐバレる
「ね、いいじゃん!」
「向こうの席行こうよ!」
しつこい!
1杯飲んで帰ろうかな…
でもまた
この前みたいに酔っても
この人たちは深瀬みたいに介抱してくれない
気が付いたら
ホテルにいそうで怖い
その確率
99%
あとの1%は
私みたいな女でも
そんな気になれるのか?っていうところ
「あの…私…」
鉄分取りに来ただけなんで!
正直に言うしかない
「芭!」
え…
神の声
じゃなくて
深瀬の声
そんなはず…ない
今日は深瀬
地元帰るって言ってたもん
幻聴かな
「芭、ごめん
待った?」
深瀬がふたりを割って入ってきた
「なんだよ、ホントに待ち合わせかよ」
「ここじゃ女の子いないから違う店行こーぜ」
ふー…
助かった