嘘つきは恋のはじまり✗ 恋の終わり???
「草薙さんは、どんな人がタイプですか?」
あ、勝手に練習始まった
「んー…タイプ…んー…
優しい人…です」
「ありきたり
だいたい優しいだろ!」
「だって…見た目とかそーゆーの
よくわかんないし…
じゃあ…
話してて楽しい人が好きです」
「趣味とか合うといいですね
休みの日は、何されてるんですか?」
「休みの日は…家で…ゴロゴロしてたり…」
「してたり…
他には…?」
「ボー…としてます」
「趣味とかないんですか?」
「特に…」
「草薙、つまんな…
ゴロゴロしてボーっとして…って
ぜんぜん楽しくなさそうだし」
「だって…」
ホントのことだし
つまんない女なんだよ、私
「とりあえず次…
今までお付き合いした男性は?」
「しばらく、いません」
「どれくらいいないんですか?」
深瀬としか付き合ったことない
深瀬と別れてから誰とも付き合ってない
そんなこと深瀬の前で言えない
「そ、そんな質問する?」
「だって気になるじゃん」
誰が?
深瀬が?
そんなわけない
「じゃあ次…
よかったら
週末一緒に映画観に行きませんか?」
「は、はい、私でよかったら…」
「草薙さん、どんな映画がいいですか?」
「えっと…おまかせします」
「なんかないの?」
「うん、ない」
…
話、途切れちゃった
私があまりにもつまんなくて
「もし誘われても行きたくなかったら
うまく断わる練習もしといたら?」
「あー…どーしよ
不安になってきた」
「もし結婚したらボクの地元に
一緒に来れますか?」
まだ練習続いてた
「え…あの…それは…」
「そこで戸惑ったらダメでしょ
うまく言わなきゃ
好きだったら着いて行くし
迷うってことはナシってことだからね
草薙、婚活パーティー向いてない」
「やっぱり?」
「やっぱり行かなくていんじゃない?」
さっきは、笑ってたらいいよって
応援してくれたのに…