嘘つきは恋のはじまり✗ 恋の終わり???

出会えるって
私と深瀬はもぉ出会ってるじゃん



高校の時
とっくに出会ってるじゃん



そんなに映画行きたいの？
それなら行ってあげてもいいよ



深瀬…



手を伸ばしたけど
届かなかった



もっと伸ばしたら
届くけど



テーブルを超えたら
すぐ近くにいるのに



なんかこわかった



触れたら
また
どーなるのかな？って



深瀬がくれる言葉で
いつも勘違いしそうになるけど

深瀬は優しいから
ホントかわかんないし



今日も私がうまくいかなかったから
優しくしてくれてる



それを真に受けて本気になったら
あ、ごめん
ホントは好きじゃなかった
とかいうパターンだったらヤダし



深瀬はそんなことしないと思うけど
なんか、こわいな



とりあえず始まっても
また私のワガママで辛くなって…

またいつか終わる

終わりのある恋の方が
圧倒的に多いんだから仕方ない



また始まったら
深瀬との思い出が増えて

そしたら
終わる時はもっと辛くなる



きっと
もぉ始まらない方がいんだよね

私と深瀬は



このまま
ただ再会した同級生で
いんだよね



深瀬が寝たから帰ろう



「草薙……帰るの…？」



起きてるんじゃん！

さっき返事しなかったくせに



あ、でも目閉じてる

眠そう



「あ、深瀬起きてた？
帰るね
深瀬、寝てていいよ」



「送らなくて…大丈夫？」



「うん、大丈夫だよ」



「うん…
今日は…送らないね…
気をつけて…帰って…」



深瀬、疲れてるのかな？


やっぱり別れたこと引きずってるのかな



「うん、じゃあね…」



「また来たかったら…
いつでも来てよ」



「え、うん…
深瀬、やっぱり寂しいの？」



「うん…寂しいよ」



深瀬は目を閉じたまま答えた



「今度、映画行ってもいいよ」



「うん…草薙…」



「ん？」



「なんでもない…」



深瀬、寝ぼけてる？



「おやすみ」