君の為なら死んでも構わなかった

高校の夏

 私は目が覚めると、アキラのベッドにいた。
 ライトの部屋を除くとライトも寝ていた。
昨日のパーティーのまま散らかった部屋

私は幸せな気分で片付けをした。
そして、静かにシャワーを浴びた。
シャワーから出ると
リビングに眠たそうなアキラが座っていた。
「おはよう、アキラ昨日はありがとう」

「うん、おはよう。リカ
おばあちゃん心配すると行けないから
早めに帰ろうか?」

「うん、ありがとう」
アキラは細かい所まで気にかけてくれる。日に日に、私はアキラへの信頼と尊敬と愛情は大きくなっていた。

アキラは
「買いすぎたから持って行けよ」と
トイレットペーパーや洗剤、パスタや
調味料など日用品

おばあちゃんは
「あらあらこんなにたくさん」
アキラは
「すいません買いすぎまして
邪魔じゃなければ」と

おばあちゃんは
「誕生日は楽しかったかい?」と
「うん、楽しかった」
「アキラくんはまるで、お父さんみたいだね?」と
確かに、しっかりしていて、寛大で

「そうそう、おばあちゃんからだよ」
そう言ってプレゼントをくれた
小さなリボンの箱に入っていた
小さな手鏡、周りに細かい細工がされていた。
「アンティークショップで見つけたんだよ」

「わあ、綺麗、私こうゆうの大好き」
「そうだろ?リカは昔からお姫様みたいな物が好きだからね。
不思議だね。おじいちゃんの血かね?」

「お姫様好きでおじいちゃんの血?」
と、私は聞いた
するとおばあちゃんは、細工の綺麗な木の箱を持ってきた
「ほら、みてごらん、おじいちゃん
の実家だよ」
そこには、白い小さなお城の写真が
庭に薔薇がたくさん咲いていた

「小さな薔薇の城、おじいちゃんは
この城で育ったんだ、良い家柄だったみたいだよ。だけど、日本に残った
いつか、私を連れて行くと言っていたけど、仕事や子育てでバタバタしているうちに日が経ってしまって
私は行った事がないんだよ」
それは誰からかの手紙と一緒に入っていた。
「面白い話しを教えてあげるよ」
「何?何?」
私はワクワクした。おばあちゃんの
昔の話しは大好きだ。
「まずは、紅茶を入れなくちゃ」
そう言って
おばあちゃんは紅茶とクッキーを用意して、ロッキングチェアに座った
「おじいちゃんのジョシュから聞いた
話しなんだ。
ジョシュのこのお城には素敵な恋の話しがあるんだよ!
このお城の娘は、大きなお城に住む
貴族に気にいられ、結婚する事になったんだ。だけど、その娘は喜ばなかった。庭師が娘と同じ歳でね。
お互い好きだったんだ。
だけど、身分が違う。
でも、庭師は綺麗な赤い薔薇が咲くと
娘にプレゼントしたんだよ。
娘の部屋の花瓶はいつも赤い薔薇がたくさん。その薔薇の数は庭師の愛情表現だったんだ。
娘は、結婚を断った。
そして、姿を消した!後を追うように
庭師も姿を消した
娘の名前はエレナ、エレナの父親は
エレナがいなくなった事を悲しみ
エレナが好きだった、赤い薔薇を
庭にたくさん植えたんだって
小さな薔薇のお城
このお城で、薔薇を贈ると永遠に
結ばれる。と噂されたんだって
たしか、今は城は公園のように開放しているらしいよ」
私は、この話しを聞いて占い師の事を思いだした。
「あーそういえば、城にはエレナの肖像画があるんだよ。ジョシュのもあるんだって、ジョシュが、リカはエレナに似てるって言ってた事があったよ?
生まれ代わりかね?
リカはきっと素敵な恋をするよ」
私はますます、占い師の話しがきになった。
私が、エレナの生まれ代わりなら
ライトは庭師?
2人は亡くなった?

私はおばあちゃんから聞いた話しを
翌日ライトに話した。
ライトは
「うーん、、、」と言って
それから
「あまりに出来過ぎじゃないか?」

「うん、私もそう思う」と言った

俺はリカからおばあちゃんの話しを聞いて、
リカに運命の相手がいるなら
俺なんじゃないか?って
だけど、ここまで占いに近い話しになると、リカは30位で亡くなる事になる

俺は不安に、なった。だから
アキラに話した。
アキラは
「参ったなあ、リカの運命の相手はライトかよ?俺じゃないのかよ」と
笑った。
俺は
「運命の相手って恋人とは限らないし
それより、俺はリカが30歳くらいで
亡くなるっいうのが気になって
だから当たってほしくないんだよ」と
アキラに行った
アキラは急に真面目な顔をして
「俺、占ってもらってくるよ」と
「は?」と俺が言うと
アキラは
「これで全然違う事言われたら
たまたま、おばあちゃんの話しと重なっただけって事になるだろ?」と
そう言って、直ぐに家を出て行った
アキラが、少し動揺しているのがわかった。
占いなんて信じていない。
元々そうゆう物は信じないほうだ。
だけど今回は、なんだかきになって仕方なかった。
俺はアキラが帰ってくるまで、落ち着かなかった。
「ただいま」
「アキラどうだった?」
「うん。」
「うんって、どうだったんだよ」
「なんかさ。俺、娘を亡くしてるんだって」
「は?どうゆう事?」
「前世で娘を亡くしてるって事
しかも、その娘が亡くなって、
娘が好きだった、薔薇の花を植え続けたって、薔薇に特別な思い入れはないか?って聞かれたよ、薔薇って言ったらリカだ」
「待って、アキラはリカの親父?」
「そうなるよな!?そりゃリカが可愛いくて仕方ない訳だ。なんでもしてやりたい、守ってやりたい、今度こそ?みたいな事か?」
「マジかよ?そんな事あるか?
じゃあリカは30位で亡くなる事になるのか?」
「俺さ思ったんだけど。運命なんて
信じたら、そのままで、その気になっちゃうし、運命だとしても、それは
自分達で変えられるんじゃないか?
だってリカが30位までなんて
嫌だよ」
「そ、そうだよな!!たまたま、たまたまあだよな。リカは30位なんてもんじゃない、きっと可愛いおばあちゃんになるよな?」
「そうだよ」
俺達は自分達に言い聞かせているみたいだった。

アキラは急に
「それよりさ、俺気になるんだよ」
「何が?」
「リカの生活」
「生活?」
「金銭面大丈夫なのかな?リカ
本当にムダ遣いしないだろ?
切り詰めてんのかな?
高校卒業したら、どうするつもりだろう」

私は
アキラが家に日用品をワザと買ってくれたんだろうと思っていた
正直生活は苦しかった。
もうすぐ夏休み
夏休みに、なったらバイトしよう
私は美容師の専門に行きたかった
バイトしないと無理だ!
今後おばあちゃんが病気になったりしたら、今のお金じゃ厳しいし
よしバイトしよう!

「リカ?」
「なあにおばあちゃん?」
「いつから夏休みだい?」
「21日だよ!」
「あら、後少しだね?あっとゆうまに
夏かい?」
「そうだよ!私、夏休みバイトするつもり」
「そうかい、しんどくない仕事にしておくれよ?心配するから」
「うん、ファミレスかな?」
「そうかい、なら大丈夫かね?」
「受かるかな?初めてだからな?」
「リカなら大丈夫だよ」

私は携帯で直ぐに調べた
駅前のファミレスが募集していた。
私は直ぐに電話した。
すると、明日放課後面接にと言われた

次の朝学校へ行く途中にコンビニで履歴書を買った。
休み時間に履歴書を書いた
掃除の時間アキラに
「私、今日バイトの面接なんだー」と
話した
アキラは
「そうか、頑張れ」と言ってくれた。
私は放課後急いでファミレスへ向かった

「リカー?」
俺は放課後リカのクラスへ来た
占いの事でモヤモヤしていた。
リカの顔をみたら平気になる気がしたんだ。

「あれ?リカならもう、帰ったよ」
「もう?アキラかな?」
「アキラさんは見てないよ」
「え、本当?ありがとう」
リカどこ行ったんだ?

「ラーイト!一緒に帰ろう」
「あ、アキラ?リカは?」
「バイトの面接行った、駅前の
ファミレスだって」
「え?バイト?」
「あー、俺なんか心配だよ、掃除の時リカが美容師の専門行きたいから
お金ためなくちゃって」
「それで、バイト?」
「ああ、大丈夫かな?」
「アキラ心配しすぎだろ?バイト位できるだろ?」
「いや、そうじゃなくてさ、専門行くって結構かかるよ。バイトで生活費稼ぐのでいっぱいな気がするんだよ」

俺は生活費がどのくらいなのか?
学費ってどの位なのか?さっぱり
わからなかった。
だけどアキラは高校のお金や、日々の生活にかかるお金、アキラが払っているから、その辺アキラはよくわかってるんだろうな。
俺はアキラ任せだからな。

「あ、ライト夏休み中アメリカで大会だろ?準備は大丈夫か?」

「準備は大丈夫!後は練習あるのみ!って訳で、俺練習行くわ」

「おう、怪我するなよ」
俺は占いの事やリカのお金の事が気になっていて。集中出来ない。
こんなんじゃダメだ、今は大会の事だけ考えよう。

「ん?リカ?」
「ライト!」
「なんだよ、珍しいじゃん」
「うん、まあね、練習?」
「あー、夏休み中アメリカで大会あるからな!絶対優勝するぞ」
「そっか!ライト頑張れ!」
「おう、頑張る」
「よし!私もがんばる!」
「バイトどうだった?」
「受かったよ!夏休みはバイトだー」
「そっか!がんばれ」
「うん、あとね、専門行くの辞める事にしたんだ」
「え?なんで」
「私、キャバ嬢になる!一番の」
「は???」
「バイト代計算して考えたの
専門は無理だ!だから高校卒業したら
キャバ嬢になっていっぱい稼ぐ」
俺はニコニコしながら話すリカに
なんて言ってやればいいのかわからなかった。
「アキラは?なんて」
「まだ、話してない」
「アキラに話してなくて、俺の所に話しに来たのかよ?」
「だって親友じゃん」
「まあ、そうだけど」
「アキラ、反対するかな?」
「アキラは、リカが決めた事を反対する事はないと思うけど」
「やっぱり、そう思う?そうだよね」
「今はバイトしか出来ないけど
キャバ嬢になったら生活楽になるかな?って」
「お、そうだな!リカならNo.1だよ」

俺は気休めの言葉しかでなかった、
生活が楽になるか、やっぱりくるしいのか

「ライト、練習頑張って!
アメリカ28日出発?」
「そうだよ」
「夏休みいっぱい向こうか、ちょっと寂しいな」

辞めてくれ、そんな事いわないでくれ
リカに会えなくなるのが辛いのは
俺なんだから。
俺は優勝して帰って来るまで、
リカとアキラの事は忘れようと
決めた。優勝する事だけ考えるんだ



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