年下男子は恋愛対象になりますか?
「菜穂ちゃん、この格好変じゃない?」

「全然変じゃないから自信持って!お世話抜きで似合ってるから!さすが、私!なんちゃって」

周りの目を気にしながら歩く私に、明るく背中を押してくれる菜穂ちゃん。

「さて、由夏ちゃん。そろそろお開きにしようか」

「お礼に夕飯奢るから食べて帰ろうよ。あ、でも唯ちゃん待ってるから帰りたいよね!長々と突き合わせちゃってごめん」

「違う違う。由夏ちゃんは彼氏に電話して、会いたいって言わなきゃダメだよ?」

突然の菜穂ちゃんの言葉に戸惑った。
さっきも言ったけど、それこそ心の準備が出来ていなかったから。

「由夏ちゃんは彼氏の為に可愛くなったんでしょ?今が仲直りする最適なタイミングだと思うけどな」

「隼人君とは明日会う約束してるけど……」

「とりあえず電話だけでもしてみたら?今日彼氏と会えなかったら夕飯食べて帰ろうよ。私、あそこで待ってるね」

私が返事をする前に、菜穂ちゃんが近くにあった本屋に向かって歩いていく。
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