年下男子は恋愛対象になりますか?
それから少し経って翌週の金曜日の夜。
美樹の運転する車で市街地に来ていた。スマホのナビを使用しながら、とある場所に向かっているところ。

「……由夏、由夏ってば聞いてる?もうすぐ着くんだからボーっとしてないでよね」

「え!?あ、ごめん」

「いよいよ隼人君に会えるんだね。楽しみだなー」

私達が向かっているのは隼人君のバイト先。
こないだカラオケ行った日から美樹は諦めてくれなくて、行こうと誘われ続けて根負けした。

駐車場からお店の入り口まで歩く。
緊張でおかしくなりそう。いや、もうなってるか。

どんな顔で会えばいい?
会ったら何て言うべき?
振り切って明るくしてみる?
いや、そんなこと絶対に無理。出来ない。

行くと決まった日から、何回同じことを考えただろう。

「お腹痛い気がするし、帰りたくなってきた」

「何言ってんの。ここまで来たんだから覚悟決めて。ほらドア開けるよ」

カランカランと音が鳴る。
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