年下男子は恋愛対象になりますか?

「帰る!」

それだけ言って、私は玄関のドアを勢いよく開けた。

視界に入ってきたのは土砂降りの雨。
通り雨だと思っていたけど、まだ止みそうにない。

「うわ、凄い雨ですね。由夏さんこの傘使って下さい」

何事もなかったかのような態度で、玄関に置いてあった傘を差し出してくれた。この家に多分1本しかない傘を。

「ううん、横付けしてもらうから大丈夫」

階段下に屋根あるし、そうしてもらえば濡れなくて済む。

「明日はお昼頃に待ち合わせでいいですか?」

「うん。後で電車の時間連絡して」

「分かりました。明日までには止むといいですね」

そんな話をしながら、傘を持ったままの隼人君と1階に向かった。
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