年下男子は恋愛対象になりますか?
「お客さん、着きましたよ」

タクシーの車内でうとうとしていたら、運転手さんに声をかけられた。

ぼんやりとした頭で外を確認すると、そこには見慣れた景色。

このまま寝ていたい気持ちもあったけど、そんなわけにはいかないので支払いを済ませて車を降りる。

人が運転してくれる車の揺れって、何であんなに心地良いんだろう。

自分の部屋に戻りスマホを見ると、隼人君からメッセージが届いていた。

「ダメだ、眠すぎる……」

文字を入力する気力もなかったので、ベッドに倒れてから電話をかける。

『雨大丈夫でした?』

「んー、濡れてないから大丈夫……。こっちは雨降ってなかったんじゃないかな……?覚えてないから分からないや」

『えっと、もしかして寝ぼけてます?』

「タクシーの中で寝てたから、寝起きではあるんだけど寝ぼけてるならごめん」

『電話切って早く寝た方がいいですよ。今日は、遅くまで引きとめてしまってすみませんでした』
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