年下男子は恋愛対象になりますか?
「トイレ行ってくるねー」

意図的なのか偶然なのか、美樹が逃げるようにその場から去った。半個室の部屋には私と隼人君の2人きり。

話の流れから気まずいのに、美樹のバカ。しばらく恨んでやる。

「由夏さん、俺のこと詐欺師かもって思ってたんですか?ひどいなぁ」

数秒の沈黙のあと、そんなことを言いながら顔を覗きこんできた。

「えっ!?あの、その、ごめん」

顔の近さにパニックになる。
どうしていいか分からず、そう答えるのが精一杯だった。

「はは、ごめんなさい。冗談です。本当に気にしていませんから。由夏さん見てたらちょっと意地悪したくなっちゃって」

な……!

「念のため言っておきますけど、好きになったのは本当ですからね?」

ダメだ。刺激が強すぎて心臓がもちそうにない。さらっとこんなこと言えちゃうなんて本当に凄すぎるよ。

美樹、早く戻ってきて。
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