年下男子は恋愛対象になりますか?

「俺、そろそろ仕事に戻りますね」

フハッと笑ったあと隼人君がそう言った。
恋愛に慣れていないのバレバレなんだろうな。からかわれてるし、恥ずかしすぎる。

これ以上会話が続くと更に挙動不審になりそうだし、これで終わってくれるならありがたかった。

「う、うん。仕事頑張って」

「ありがとうございます。じゃあ、また」

姿が見えなくなってから恥ずかしさが一気に増した。両手で顔を覆って静まるのを待つ。

何なの、余裕ありすぎじゃない!?
モテるだろうし女の子の扱い慣れてそうだもんね。それなのに何で私なんかを……

「由夏、顔真っ赤じゃん。何?キスでもされた?」

カーテンが開いて美樹が入って来た。
気配に気付いていなかったこともあって、ドキドキにバクバクが加わる。

「そ、そんなわけないじゃん!」

「ふーん?」

「それより何であのタイミングで席外したの!?わざとだよね!?」

「そんなに怒んないでよ。2人きりにさせてあげようと思っただけでしょ」

今日は、美樹と隼人君に振り回されてる気がする。
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