年下男子は恋愛対象になりますか?
「ただいまー」

玄関の鍵を開け家に入ると、リビングで両親がくつろいでいた。冷蔵庫にビールを入れてからお土産を渡す。

「おかえり。あら、水族館行って来たの?」

「うん。お風呂入ってもいい?」

「いいわよ」

何を言われるのかと内心ドキドキしていたのに、どうやら健太のお母さんからはまだ聞かされていないようだった。

時間の問題だろうけど、今日は疲れてるしとりあえず良かった。

「荷物置いてきたら入るから」

「お父さん寝ちゃったし、わざわざそんなこと言わなくても大丈夫よ」

自分の部屋のドアを開けると、ベッドの上に洗濯物が畳んで置かれていたのが目についた。

昨日隼人君から借りたTシャツだけ、私の服とは重ねずに横に置いてある。

え!?これってもしかして……

明らかにメンズ物だし、父親が着るようなデザインではない。

重ねずここに置いてあるってことは、誰かに借りたのがバレているってことで。

それでも何も聞かれなかったってことは、母親は何も聞かないタイプなのかも。
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