年下男子は恋愛対象になりますか?
電車に乗ってから2時間が過ぎた頃だった。
右隣に座っていた男性の頭が、私に寄りかかってきて心臓が跳ねあがる。

寝てるとしたら、しばらく起きてくれない可能性もあるわけで。それは困る。とっても困る。

「す、すみません!」

スマホを見たまま固まっていると、重さがなくなった。それと同時に聞こえた慌てているような声。

隣に座っていたのは、黒髪で細身の若い男性だった。焦っているのか顔が赤い。うん、そうなっちゃうのも分かる。

「いえ、大丈夫ですよ」

かなり申し訳なさそうにしていたから、それ以上は気にしないことにした。誰だって失敗しちゃう時はあるし。私も気を付けなくちゃ。

再びスマホに視線を戻すも、数分後。
男性の頭がまたしても寄りかかってきた。

えー、嘘でしょ!?
そんなに眠いの!?

こういう場合どうするのが正しいんだろう。
起こすべき?黙って頭を押し戻す?

何が正解なのか分からない。
まぁ、そんなことする勇気もないんだけど。

しばらく悩んだ結果、このままにする事にした。終点まで数分。あと少しの我慢。でも、その前に起きてくれたらとっても嬉しい。

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