年下男子は恋愛対象になりますか?
数分後、由夏がトイレから戻って来た。
まだ緊張しているみたいだけど、さっきよりは落ち着いているようにも見える。

「ちょっと、由夏!さっき隼人君がオーダー取りに来たよ!出た後すぐに来たけど会わなかった?」

驚いた表情を浮かべているってことは会わなかったのかな。おかしいな、出て行ってすぐ入ってきたのに。いや、でもこれで会った時の反応が見れるんだ。やった。

「……ねぇ、オーダー取りに来たのが何で隼人君だって分かったの?」

喜びすぎたせいか怪訝な顔をされた。
しまった。気を付けないと。

「えっとねー、名」
「失礼します。お飲み物お持ちしました」

さっきの出来事を話そうと思った矢先、注文していたドリンクが運ばれて来た。持ってきたのは、またしても隼人君。

由夏は頑なに向こうとしていなかったので、テーブルの下から靴を軽く蹴る。彼が隼人君だと知らせる為に。

気が付くか不安もあったけどすぐに解消された。由夏の顔が赤くなったのだ。

「ノンアルコールビールのお客様」

「あ、はい!私です!」

飲み物が置かれてゆっくりと顔をあげている。その時の驚いた顔を私は見逃さなかった。あはは、イケメンすぎてビックリしたかな。
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