年下男子は恋愛対象になりますか?
並んで歩く時はいつも手を繋いでくるのに、今日はそんな気配が全くない。何でだろ。

「手、繋がないの?」

「はい。そうしたい気持ちもあるんですけど、由夏さんの家の近くなので我慢してます」

嬉しい。そんなこと考えてくれてたんだ。

この辺を一緒に歩くのは初めてなので、何とも言えない気恥ずかしさが時間差で襲ってくる。

健太のお母さんには見られたら、今度こそ帰してもらえないかも。どうか見られませんように。

隼人君がやたら髪を気にしていて、心なしかそわそわしていることに気が付いた。

「どうかした?」

「由夏さんの親に会うと思うと緊張してきちゃいました」

そう言って苦笑いを浮かべる。

前に私の親が会いたいって言ってきたらどうするって話をした時、喜んで会うって言ってたから緊張しないと思ってたよ。

いや、それよりも肝心なこと言うの忘れてた!

「ごめん!両親出かけてるから、家には誰もいないんだよね」
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