年下男子は恋愛対象になりますか?
「えー、そうだっけ?」

とりあえず笑って誤魔化してみた。
まさか気が付かれていたなんて。美樹に対してや、心の中では呼んでるんだよ。

「メッセージだと呼んでくれてるじゃないですか」

そうだね、呼んでる。
でも、こんな状況で呼べるわけないから諦めてほしい。今は無理。絶対に無理。

「あー、いやー、そのー」

「由夏さん?」

「こ……、心の準備が出来たら呼ぶね!」

誤魔化しきれなくて、思わず本音を言ってしまった。恥ずかしくて呼べなかったのバレただろうし最悪すぎる。

「はは、分かりました。その日が来るのを楽しみにしています。また連絡しますね」

一瞬キョトンとしていたけど、すぐに笑顔を浮かべて掴んでいた腕を離してくれた。

「う、うん!じゃあね。バイバイ」

逃げるように車へと向かう。
振り向けなかったのは言うまでもない。
< 41 / 728 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop