年下男子は恋愛対象になりますか?

「あ、そうだ!」

スマホと家の鍵だけ持って玄関に向かう。

隼人君の家にいるから落ち着かないのであって、外の空気を吸えば少しはマシになるかもしれないと思ったのだった。

おそるおそるドアを開けてみても、隼人君の姿はまだない。ここで会ったら何の意味もないのでホッとしながら外廊下を歩く。

隼人君は今どの辺にいる?
少しでも遠くにいてくれたらありがたいんだけど。

アパートの階段を降りて踊り場に差し掛かった時、道路から敷地内に入って来る隼人君の姿を発見した。

心の準備がまだ出来ていなかったこともあり、数歩戻って見えない位置まで移動する。外に出たのはいいものの、その先のことを考えていなかった。

「由夏さん、こんなところで何してるんですか?」

「え!?」

背後から突然聞こえた隼人君の声。
足音が聞こえなかったのは、考えごとをしていたせいかも。
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