年下男子は恋愛対象になりますか?
「……もしかして、俺がいない間に帰ろうとしてました?」

ビニール袋を片手に笑顔を向けられた。
圧を感じるから本気でそう思ってるみたい。

「してないよ!ほら、鞄持って来てないでしょ」

持っていたスマホと鍵を見せて、荷物はこれだけだと証明する。帰りたいとは思ったけど、帰ろうとしてたわけじゃないよ。

「確かにそうですね。じゃあ、ここで何してたんですか?」

落ち着きたかっただけなんだけど、そんなこと言えるわけがないし。どうする?考えなきゃ。

「お、驚かせようと思って」

思いつきで適当に言ったから不安だったけど、隼人君がフハッと笑った。

何とか誤魔化せた……のかな。

「そうなんですか。でも、さっき由夏さんの姿が見えてましたよ?驚かせるならずっとここで待ってるべきでしたね」

「何でそういうこと言うかな。隼人君ってそういうとこあるよね」

話を合わせてくれたっていいのに。
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