年下男子は恋愛対象になりますか?
「ちょっと待って下さい。俺も行きますから!」

私が玄関を出てすぐ、隼人君が飛び出して来た。髪の毛を乾かしていないのでまだ濡れたまま。

あっという間に追い付かれて横に並ぶ。

「いいって!隼人君は早く髪の毛乾かしなよ」

「この暑さなら自然に乾きますよ」

帰ることはあっさり承諾したのに、車が停めてあるコインパーキングまで一緒に行くことは譲れないらしい。

「……風邪ひかないでね」

「分かりました」

屈託のない笑顔。
大丈夫。外なら変な気もおきない……よね。

左手で鞄を持って、私の右側を隼人君が並んで歩く。これが歩く時の定位置。

いつもと違うのは、隼人君が手を繋いでこないということ。

部屋から出てきたばかりだし、手汗が理由じゃないと思うんだけど。
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