年下男子は恋愛対象になりますか?
「じゃあ、またね」

アパートからコインパーキングまでは徒歩数分。手を繋ぐことなく到着し、そのまま車に乗り込んだ。

「このあとはパン屋行くんですか?」

「そうだね。行こうかな!」

忘れてなかったんだ。
時々意地悪になるところも、いつもと変わらない。

運転席から軽く手を振ると、隼人君は自分の左手首に軽く口付けた。思わず私の手首をギュッと掴んで隠す。

なっ……!

「気を付けて帰って下さいね」

完全に油断してた。
うん、隼人君てそういうところあるよね。

「バイバイ!また明日!」

私の反応を見て楽しんでいるに違いない。
そう思ったので、そのことには触れずに車を発車させた。

手を繋がなかったのは、特に深い意味がなかったのかも。
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