年下男子は恋愛対象になりますか?
冗談にしてもらわないと本当に困る。
それに、よりによって何でそこ掴むかな……

「べ、別に逃げてなんかないし。このままだと移動出来ないから離してくれない?」

視線が痛かったけど、そらすわけにはいかなかった。健太の目を見て笑いながら話す。

「ここ、本当は怪我なんてしてねぇんだろ?絆創膏で隠すってことは、ハヤト君にキスマークでも付けられた?」

「な、何もされてないから!それより早く離してってば!」

頑張って作っていた笑顔もここまで。
振りほどこうと抵抗したら、掴まれていた場所が痛んだ。

「お前分かりやすすぎ。見える場所に付けさせてんじゃねぇよ。ほら、お望み通り離してやる」

「え!?うわ、ちょっ……」

力を込めて後ろに引っ張っていたので、急に手が離されたことによりバランスを崩してしまった。

このまま倒れたら凄い音がするだろうし、誰かしら様子見に来るよね。健太と2人きりでなくなるなら、それもありかもしれない。

覚悟を決めて目をつぶる。
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